ロタウイルスワクチン

 

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ロタウイルスワクチン(ロタリックス:1価ロタウイルスワクチン)

※令和2年10月1日からロタウイルスワクチンが定期接種(無料)となりました。 *令和2年8月以降に生まれた方が対象となります。
 
平成23年11月21日より日本でもロタウイルスワクチンが始まりました。
 
ワクチンの話をする前にまずはロタウイルスの話から始めてみましょう。
 
毎年冬から春にかけて流行する(最近は春がメインですが)乳幼児冬季下痢症というお腹の風邪があります。 白い水のような、そして酸っぱい独特な臭いのある下痢が出る病気です。
他のお腹の風邪と比べると下痢がとても強く、脱水になってしまい入院となることも多い病気です。
また、ロタウイルスは痙攣を起こしたり、脳炎を起こすこともあります。
感染力がとても強いため病棟で一人ロタウイルスの患者さんが出ると、同室の乳幼児はほぼ全員感染してしまうほどです。
 
そのロタウイルスに対するワクチンは現在まで120以上の国で使用されてきました。
その効果は非常に高く、国によっては小児病院の数を減らすことができるくらいの効果が認められています。
 
そのワクチンが、やっと日本でも接種できるようになります。
 
 
ただし、このワクチン、誰でも接種できるわけではありません。
接種スケジュールがちょっと大変なんです。
 
以前、他国で大きい子がこのワクチンを接種すると、腸重積という病気の頻度が高くなると報告がありました。
そのため生後6週から生後24週の間で2回接種しなくてはいけません。
 
生ワクチン(1.5mlのシロップを飲む生ワクチン)のためこのワクチンを接種すると他のワクチンまで4週間あけなくてはいけません。
 
それでは、どういう形で接種が可能でしょうか?
 
1回目の接種推奨時期は生後8週〜15週未満となっております。
生後15週以降での1回目接種は他国でもほとんど認められておりません。
 
生後2ヶ月でヒブ、肺炎球菌、B型肝炎ワクチンと一緒にスタートすることが理想的です。
遅くとも、生後3ヶ月でスタートする4種混合ワクチンと一緒に、できれば生後15週未満で1回目を接種してください。
 
接種料金は1回14250円(税込み)となります。
 

ロタテック(5価ロタウイルスワクチン)について

 
ロタリックス(1価ロタウイルスワクチン)の説明内でロタウイルス感染症、及びワクチンの基本について説明しましたが、平成24年7月末より日本でもロタテック(5価ロタウイルスワクチン)の接種が開始となりました。
ロタテックは生後32週までの間に3回の接種が必要となります。
接種金額は9700円(税込み、1回)となります。
 
ここではロタリックスとロタテックの違いについて説明します。
 
ロタウイルスはたくさんの型があります。
その中で一番多い型がロタウイルス流行の65%を占めていて、残りの4型と合わせると90%となります。
ロタリックスは一番多い型に対する1価のワクチン、一方、ロタテックは残りの4タイプを合わせた5価のワクチンとなります。
これだけ説明すると、ロタテックの方がずっと優れていそうですが、元々ロタウイルス腸炎は1個のタイプに感染すると、翌年他のタイプに感染しても軽症で済むことが多いのです。
ロタリックスが1価だからと劣っているわけではありません。他の型にも十分な効果があります。
効果はほぼ同等と思ってください。
 
 
次に接種回数と時期です。
ロタリックスは生後24週までに2回接種、1回目は14週6日までに接種することが望ましい
ロタテックは生後32週の間に3回接種、1回目は14週6日までに接種することが望ましい
 
薬の量
ロタリックスは1回1.5ml
ロタテックは1回2.0ml
 
以上がロタリックスとロタテックの違いです。
 
どちらが良くて、どちらが悪いというものではありません。
ただ・・・月齢が大きくなるほど口から出して遊んだり、飲んでくれないお子様が増えてしまいます・・・