HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
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Q:ヒトパピローマウイルス(HPV)って何?
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A:女性の子宮頚癌だけでなく、男性でも「のど」や「肛門」の癌の原因となるウイルスです。 男性と性交経験がある女性は50歳までに80%の人が感染します。
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Q:どれくらいの人が「子宮頸癌」になるの?
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A:日本では毎年1〜2万人の女性がかかり、そのうち毎年2800人が亡くなっています。 また、命が助かった人でも、毎年1200人の女性が子宮を失っています。
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Q:若い人でも癌になるの?
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A:20代、30代の子宮頸癌発症率は、1990年と比べると2倍以上に増えています。 25歳から40歳の出産年齢のピークと、子宮頸癌発症のピークが重なってきています。
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Q:予防することは出来るの?
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A:予防する方法は2つ、1つ目は予防接種、2つ目は子宮癌検診を20歳を過ぎたら必ず受けること
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Q:予防接種は世界中で使われているの?
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A:先進国だけでなく、世界中で接種されています。 欧米諸国では、予防接種の接種率が90%近い国も増えてきており、EU諸国では、子宮頸癌で亡くなる人数は半分以下に減っていて、オーストラリアはこの数年で子宮頸癌は「まれな癌」になると予想されています。
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Q:3種類の予防接種に違いはあるの?
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A:2価のサーバリックス、4価のガーダシルは効果に差はほとんどありません。 子宮頸癌の原因となるヒトパピローマウイルスの約6割の型をカバーしています。 一方で、世界で現在広く使われている9価のシルガード9は子宮頸癌の原因となるヒトパピローマウイルスの約9割をカバーしています。
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Q:9価のワクチンは日本でも接種できるの?
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A:以前から当院ではガーダシル9(シルガード9と同じ物)を輸入して多くの方に接種してきています。 2021年2月24日に同じ物がシルガード9として日本で発売になりました。 2023年4月からはサーバリックスやガーダシルと同じように定期接種として接種(対象年齢のみ)ができるようになりました。対象年齢以外の方は自費となりますが、接種が可能です。
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Q:2価や4価のワクチンを途中まで接種していて、残りを9価に変更することは可能?
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A:今回、2023年4月からシルガード9の定期接種化に合わせて厚生労働省から発表があり、残りの分を9価に変更することも可能となりました。
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Q:高校2年生以上で定期接種の年齢から外れた人も無料で接種は可能?
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A:令和4年4月から令和7年3月まで、平成9年4月2日〜平成20年4月1日生まれの方も定期接種として無料で接種をすることが可能になっています。 詳しくは自治体のホームページにて御確認ください。 札幌市HPVワクチンキャッチアップ接種について
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接種回数は、4価のガーダシルは全ての年齢で3回接種(1回接種、2ヶ月後に2回目、1回目の半年後に3回目)ですが、シルガード9は2023年3月から諸外国と同じ接種回数となり、9歳から14歳は2回接種も選べるようになりました。(2回でも3回と同様に免疫ができるためです) 2回接種の場合は1回接種して半年から1年後の間で2回目を接種します。 15歳以上はシルガード9も3回接種となります。(1回接種して2ヶ月後に2回目、1回目から半年後に3回目)
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Q:男性も接種が必要なの?
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A:男性ののどや肛門の癌の予防になります(有名人もこののどの癌になった人が何人もいます)また、自分の将来、今のパートナーを守るためにはとても大事なワクチンです。 欧米では男性が定期接種となっている国も増えています。(男性が接種できるのは、国内で男性に承認されたガーダシル4価と、輸入ワクチンのガーダシル9の2種類です。※ガーダシル9は入手できなくなっており、シルガード9を男性の方が希望される場合は適応外接種となります)
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私がこのワクチンの説明をした動画があります。
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同じ内容ですが、是非、一度見てみてください。(2021年の内容のため、現在とは異なる部分があります)