小児用13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー13)
肺炎球菌は文字通り、肺炎の原因になる細菌ですが、それだけでなく、細菌性髄膜炎、菌血症、中耳炎といった病気を起こします。 肺炎球菌というのは実はそこら中にいる菌で、小さな子どもは肺炎球菌に対する抵抗力が弱いため肺炎球菌に感染しやすいのです。
肺炎球菌は、耳で感染症を起こすと「中耳炎」に、肺に入り込んで「肺炎」に、血の中に入り込んで「菌血症」に、脳や脊髄を覆っている髄膜の中に入り込んで「細菌性髄膜炎」を発症します。 これらの病気は、もちろん他の細菌やウイルスが原因で起こることもありますが、肺炎球菌が主要原因であることがほとんどで、菌血症では80%(1番目)、肺炎の場合は30%(1番目)、細菌性髄膜炎では20-30%(2番目)、細菌性の中耳炎の場合は30%(2番目)が肺炎球菌が原因となっています。 しかも、重症の細菌性髄膜炎などは経口の抗菌薬では防ぐことはほとんどできないのです。
肺炎球菌の予防接種が日本でも接種できるようになりました
子どもの肺炎球菌感染症は、小児用の肺炎球菌ワクチンで予防できます。小児用の肺炎球菌ワクチンは2009年現在100カ国近くで使われていて、定期接種をしている国では細菌性髄膜炎などの重い感染症の発症率が98%下がりました。
ヒブワクチンと同時接種をすることで、細菌性髄膜炎予防に非常に有効です。極めて安全性が高く、効果が高いワクチンであり、WHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの一つとして勧告しているものです。病気が重いだけでなく、早期診断が難しいので、受けられる年齢になったらすぐに接種します。
この小児用肺炎球菌が日本でも、2010年2月24日より接種できるようになりました。
そして、平成25年4月より日本でも定期接種として受けられるようになりました。
小児用肺炎球菌ワクチンの切り替えについて
平成25年10月まで、小児用肺炎球菌ワクチンは7価肺炎球菌ワクチンが使用されています。 肺炎球菌には90以上の種類があり、その中から重篤な小児の感染症を引き起こす7種類の肺炎球菌の型がふくまれていました。 7価肺炎球菌ワクチンでも効果はとても高かったのですが、他先進国等ではより多くの種類に対して効果のある13価肺炎球菌ワクチンが採用されていました。
平成25年11月1日より日本でも13価肺炎球菌ワクチンに切り替わっております。